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  Mariah Carey / The Emancipation of Mimi

The Emancipation of Mimi
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The Emancipation of Mimi
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Mariah Carey
Island (2005/04/12)
売り上げランキング: 3
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 申し分なしの素晴らしいアルバムです!
5 やっぱり世界の歌姫(古っ!)はマライアだ・・・と改めて感じさせられた。
5 90年代最強の歌姫の巻き返し

マライアの立ち位置は彼女の肌の色のように曖昧だ。

97年リリースの 『Butterfly』 は Mary J Blige でヒップホップソウルの黄金律を見つけた Puff Daddy によって規律正しく統率され、ゴージャス感とストリート感という相反する目論見が幸福な邂逅を果たしていた。しかし次の 『Rainbow』('99) では台頭する若手アイドルへの対抗意識が顕在化し、『Charmbracelet』('02) に至っては左顔を執拗に隠す病的な自意識過剰と鈴木その子ライトを常に要求する自己顕示欲が奇妙な形で捻れていた。

どだい彼女は Britney Spears や Christina Aguirela のようなバブルガム・ポップと張り合うにはあまりに”熟れすぎている”し、Tweet や Ashanti のようなストリートコーナーの歌姫に対抗にするにしてはあまりに”売れすぎている”。そうした彼女の不安定さはここ数年のセレブポップスとストリートヒップとを行き来するどっちつかずなアルバムへと収斂し、新しいファンはつかず、古くからのファンは右往左往するはめとなった。

しかし迷いの時は過ぎた。ごく親しい友人との間だけで使われていた極秘の愛称”ミミ”。「ミミの解放」と名付けられた本作はマライアの過去への決別宣言であり、新たな旅立ちへの決意表明である。

本作のサウンド的特徴は黒地の背景に実際以上に色黒に移った黄金のマライアが仁王立ちするジャケット写真がすべてを表している。黒いソウルから白いポップスへと肌の色とともに変貌を遂げたマイケル・ジャクソンとは反対に、マライアは白いポップスと灰色のブラコンソウルに別れを告げ、より黒いアルバムを目指した。

明らかにこのジャケット写真は今回の仮想敵のひとりであるビヨンセの2枚のアルバム(『Dangerously In Love』『Destiny Fullfilled』)から構図と色調を頂戴しているし、”よりソウルフルに”という流れはR&B/SoulからHip-Hopに至るまで昨今のブラックミュージックシーン全体の流れであってマライアがオリジネイターではけっしてない。だが幸運にもそれをただの風見鶏で終わらせない実力と人脈が彼女にはあった。

The Emancipation of MimiDangerously in LoveDestiny Fulfilled
winterさんの指摘で気付きました。

従来のディーバ的側面を象徴してきた大仰なバラードを得意とする作家(Walter Afanasieff、David Foster、Babyface、Diane Warren)はことごとく排除し、あげあげできらびやかなパーティトラックを得意とする Just Blaze のような新世代の売れっ子も採用しなかったのは賢明な判断だった。代わりに本作に寄与しているのは Jermain Dupri、The Neptunes 、Kanye West、James Poyser といった面々。やはりマライアにしか招聘することのできない超豪華プロデューサー陣だが、銘々のカラーを活かしつつも、ミディアム~スロウは抑制の利いたレトロ・ソウル風味に(We Belong Together, Mine Again)、アップは装飾を極力排したプリミティブなものに(It's Like That)一貫して仕上げられている。

ライブを模して観客の歓声と中盤に語りが入る "I Wish You Knew" やネオソウル界のキーパーソン=James Poyser が手がけた "Mine Again" は "You Don't Know My Name" と "If I Ain't Got You" の合いの子のようで、もうひとりの仮想敵=アリシア・キーズと酷似しているのが気になる。しかししつこく調理されすぎていないため、マライアのべらぼうにうまい歌がことさら引き立ち思わず耳を奪われ言葉を失う。小鳥のハミングを地声でパフォームしてしまうようなアクロバット歌唱もあまり鼻につかず、古いソウルネタの早回しに馴染んでいるし、ラストを締める"Fly Like A Bird"でもな歌い込みやこぶしを多用した自己陶酔の境地から数歩手前で踏みとどまっている。本作のマライアは意識的できめ細かく、常にいい”塩梅”だ。

また若くして当時のソニー社長トミー・モトーラに見初められスターダムの座にのし上がった彼女の語る孤独や鼓舞は、これまでならマクドナルドのパティのごとく薄っぺらに響いたものだが、神経症や自殺未遂を経験した者だけが持ちうる説得力なのか、力みのない自然な優しさがこだましている。

「過去との決別」と口で言うのは容易いが、過去は魔法でも使わなければ清算できないし、何十年も”自分”をやっていればそう簡単には性格を変えられないのが現実である。先日プロモーション来日してTV出演したマライアは相変わらず年齢にそぐわぬ露出度の高い衣装で叶美香のような熟れすぎ極上ボディを窮屈そうに締め付け、自分だけが美白ライトを燦々と浴び、日本一のコメディアン=タモリを貧乏長屋のさえない老人に映すほど肥大化したエゴをお茶の間に晒した。「裸の女王さま」とでも評すべき悪印象を抱いた人も少なくないだろう。

だが彼女の内面の奥深くで巨大なマグマの胎動が良い方向に起こりつつあることを本作は明確に提示している。シーンやライバルを意識しすぎた身構えが音を硬くしている部分は残るが、困難の季節をくぐり抜けた彼女は [本当の自分]=[魂(ソウル)] の少なくとも一部を解放し、[真の魂(ソウル)] にこれまでで最も接近した。「血の通っていないブラックミュージックもどき」「お湯で二倍希釈したエスプレッソ」。もうそんな揶揄はあてはまらない。
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コメント

ブラボー!

おぉ!昨夜、私も舌足らずの言葉で感想を書いたところだったんですが、さすが魂小僧さま。みんなが「何となく感じていたこと」を、見事にまとめて言葉にしていただいたような感じです。
特に最後の部分。アルバムは良いけど、「鈴木その子+叶美香」な演出はいただけないですよね(--;)。

i luv this song!

ひさしぶり!
この曲ね、FMで流れたのを初めて聴いたとき、
強烈なインパクトあって記憶にいつまでも残ったなあ。
マライアさん、こんな形で帰ってくるとは
想像もしてなかったけど、ほんと、いい塩梅(笑)

RE:

最初の頃のマライヤはストレートに伸びやかな声で歌っていて、
それが魅力だと思っていたのに、どうなっちゃったの・・・と
モヤモヤしていましたが、なるほど、こんな経過を辿っていたのね。
先日のMステでは相変わらず右側しか見せず、
歌った曲も印象が薄かったんですけど、アルバムは期待していいのかな。
後ほど視聴いってきます。

RE:マライア

>めぐみさん
長文にお付き合い頂いてありがとうございます。
昨日はうたばんに出演してましたが
美白ライトもなく、いたって自然体でしたね。
ろくな通訳もなく司会人がくすくすげらげら
笑ったりしてかなり失礼な雰囲気だったにも
関わらず怒らずチャーミングに応対していた
マライアは大人だと思いました。
ちょっとひどく書きすぎたかも(゜ー゜;Aアセアセ

>makoたん
おひさしぶり!
今回はとにかく控えめ、抑えめで過剰さが
ないんですよね。それが最初はものたりなく
感じたんだけど繰り返し聴くうちに
いいねこれ♪ってなってきました。

>プティ子たん
歌唱力が低下したとか言われたこともあったけど
シングルは時流に応じて囁き系が増えたものの
アルバムの中では相変わらず歌い上げてたんだよね。
でも売れなくなってきてるのは事実で。
新譜がどこまで売れるか見所です。

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&quot;THE EMANCIPATION OF MIMI&quot; - Mariah Carey

あーあ、マライアがやっちゃいましたよ。プロモ来日時の胸チラ(ハミ乳?)も話題になっていますが、まずはこのジャケを見よ。リリースの度に露出度を増していく印象がある Mariah Carey ですが、新作 &quot;THE EMANCIPATION OF MIMI&quot; のジャケは自己陶酔の境地を極め

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The Emancipation Of Mimi / Mariah Carey * 2005 Island

 旦那と別れてからエロ度全開爆裂中のマライア。わりと個人的には歓迎であったのですがセールス的には反比例で悲しいかぎりでした。(そこそこイイ曲もあったのに・・)しかしなが

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