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  2003年間ベストアルバムTOP50

 2004年の年間ベストはこのように大体発表し尽くしたので、ログ移転ついでにオルタナソウルエイリアンが選ぶ昨年2003年の年間ベストアルバムTOP50を再掲します。いま読み返すといろいろ不満な点も多いのですが、せっかく一杯書いたのでお付き合い下さい<(_ _*)>

2003年間ベストアルバムTOP50

01. Michael Franti & Spearhead / Everyone Deserves Music
02. Asian Dub Foundation / Enemy Of The Enemy
03. Variable Unit / Handbook For The Apocalypse
04. The Ataris / So Long, Astoria
05. The Tony Rich Project / Resurrected
06. John Stoddart / Wings To Walk This Road
07. Ben Harper / Diamonds On The Inside
08. Seal / Seal IV
09. John Mayer / Heavier Things
10. Wyclef Jean / Preacher's Son

11. Jeff Beck / Jeff
12. R.Kelly / Chocolate Factory + Loveland
13. Maktub / Khronos
14. Ryan Adams / Rock N Roll [Japan]
15. Outkast / Speakerboxx + The Love Below
16. Jet / Get Born
17. Korn / Take A Look In The Mirror
18. Chris Rea / Stoney Road
19. Eagle-Eye Cherry / Sub Rosa [Japan]
20. The Thorns / The Thorns

21. Black Eyed Peas / Elephunk
22. Rufus Wainwright / Want One
23. Maroon 5 / Songs About Jane
24. Jason Mraz / Waiting For My Rocket To Come
25. Kelis / Tasty
26. Jay-Z / The Black Album
27. Ziggy Marley / Dragonfly
28. 3 Doors Down / Away From The Sun
29. Brian McKnight / U Turn
30. Linkin Park / Meteora

31. The String Cheese Incident / Untying The Not
32. Yerba Buena / President Alien
33. Watashi Wa / The Love Of Life
34. Robert Randolph & The Family Band / Unclassified
35. Speech / Peechy
36. Victor Davies / Hoxton Popstars
37. Sevendust / Seasons
38. Alicia Keys / The Diary Of Alicia Keys
39. Sean Paul / Dutty Rock
40. Dido / Life For Rent

41. Dave Matthews / Some Devil
42. Evanescence / Fallen
43. Marilyn Manson / The Golden Age Of Glotesque
44. P!nk / Try This
45. Kid Rock / Kid Rock
46. Dwele / Subject
47. Bubba Sparxxx / Deliverance
48. Macy Gray / The Trouble With Being Myself
49. Joe / ...And Then
50. Musiq / Soulstar




※対象:2003/01/01~2003/12/31の間に国内外でリリースされた作品。ベスト/ライブ/サントラ/邦楽/その他の企画物は除外。
※順位:音楽シーンに与える影響の大きさ、歴史的俯瞰に立った独創性云々といった客観的価値基準はあまり重視せず、単純に自分の嗜好にあった作品をより上位にランキングさせています。

以下、全作品レビューです。
評価→S:名作;A:優秀作;B:秀作;C:標準作;D:駄作;E:論外




No.1 Michael Franti & Spearhead / Everyone Deserves Music

  Everyone Deserves Music 評価:S

 年間最優秀アルバムはピーター・バラカン氏、佐藤英輔氏も大絶賛のマイケル・フランティ&スピアヘッド通算四作目。アレステッド・ディヴェロップメント、フージーズ等と並ぶオルタナティヴ・ヒップホップの最重要バンドとして業界シンパを集めながら、商業的な成功にはなかなか恵まれない彼らだが、約2年振りとなる本作でも「愛と平和」、「自由と平等」のメッセージを掲げたフラワー・パワーは相変わらず。音楽的には従来通り女性コーラスも絡めた生音主体のハートウォーミングなサウンドプロダクションを継承しつつ、演奏力と作曲能力にさらなる磨きがかかったことにより、政治色の強い楽曲も一緒に口ずさめるようなポップ・ソングにまで昇華されているのが非常に印象的だ。死刑反対をコンセプトに作られた前作『Stay Human』('01)のような内容上の一貫性はなく、サウンドはさらに多様性を極めているが、パンチの効いたフックがアルバム全体を支配することにより、トータルとして一気に聴かせるだけのパワーをひしと感じる。恐らく過去最高に親しみやすい間口の広い作品と言えるだろう。

 タイトルトラックM3 "Everyone Deserves Music"では「多くの人がいがみ合う、争いの絶えない世の中だが、敵味方関係なく誰しもが音楽を楽しむ権利があるんだ」と、音楽を通して世界を一つにしようと試み、M5 "Bomb The World"では言論統制が敷かれて多くのアーティストが沈黙を守っていた最中、アメリカにおける9.11以降の対外政策を「You can bomb the world in pieces / But you cannot bomb the wold in peace(爆弾を落として世界を粉々にすることはできるけれど、爆弾で世界を平和に導くことは不可能だ)」と厳しく批判して真のロック魂を示すなど、キング・オブ・ジャンルレスな縦横無尽のハイブリッド・サウンドに乗せてデリヴァーされる、思慮深く詩的で時に辛らつなマイケルのライムも相変わらずの切れ味を見せている。どうやら約十年前にU2のボノがマイケルを評して発した言葉-「マイケル・フランティは現代のアメリカを象徴するスポークスマンだ」は今も有効のようだ。

 それにしてもシリアスでポリティカルな側面を全面に押し出した圧倒的な完成度を誇る前作に続いて、本作ではスピリチュアリティに重心を置き換えながら、様々な新しい変化球を投げつつ、それらを悉く音楽の快楽性というストライクゾーンにおさめてくるマイケル・フランティの才能には恐れ入る。フジロック03における圧倒的パフォーマンスで多少国内での認知度も上がってはきているようだが、まだまだこんなもんじゃ物足りない。もっと広く聴かれ、正当な評価が得られることを切に願う。「ロック・リスナーにもアピールしうるヒップホップ・アクトはアウトキャストとN.E.R.D.だけ」なんて薄っぺらな音楽ジャーナリストの言うことを鵜呑みにしては駄目。マイケル・フランティ&スピアヘッド、要チェックです!


No.2 Asian Dub Foundation / Enemy Of The Enemy

  Enemy of the Enemy 評価:S

 英国在住アジアン二世を中心に結成された大所帯ミクスチャー系ラガ・ジャングル・ユニット。アメリカでは無名に近い存在ながら、日本ではフジロックでのパフォーマンスがきっかけとなって一部で熱狂的な支持を集めており、私もその存在自体は知っていた。しかしアルバムをちゃんと聴いたのはこれが初めて。ひとことで言って凄い。攻撃的で早口な2MCの口から乱射される過激かつ具体的な政治的メッセージにも圧倒されるが、ユニット名の通りダブ/レゲエを基盤にしつつ、それだけでは括りきれない本物の雑色系サウンドが万華鏡のように展開されていて舌を巻いた。ヒップホップ、ハードコア、パンクなど、とりわけ「レベル・ミュージック=反抗の音楽」と称されるような音楽表現が全て取り込まれている感じだ。精神性としてはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンに近いが、音楽的に近いアーティストが全然思い浮かばない。精神性だけでなく、蜷局を巻くような激烈グルーヴがダンス音痴の自分の腰にもグイグイくるほど肉体性も十分。過去の作品を急いで集めたが、ラガマフィン調のディーダー時代よりも本作からの2MC体制の方が私は好き。


No.3 Variable Unit / Handbook For The Apocalypse

   評価:S

 その名が示すとおり、流動的なセッション・メンバーで構成されるJazz/Hip-Hopユニットの2ndアルバム。同時多発テロ事件に始まり益々緊迫する世界情勢に感化された作品が数多く見られた2003年の音楽界であるが、多くのアーティストが平和や人類愛をポジティブな形で表現したのに対し、この作品はやりきれない程絶望的な近未来像を暗黒の色彩でコンセプチュアル且つドラマティックに描いている。その表現方法はインストからラップ、ポエトリー・リーディング、ストーリー・テリングまで多岐に渡り、複雑怪奇な世界観をまるで映画のごとく視覚的に具現化し、重々しいテーマを扱いながら見事にエンターテイメント足り得ているのは、圧巻と言うほかない。VU御用達のラッパー=Azeemの超絶ライムも必聴。


No.4 The Ataris / So Long, Astoria

  So Long, Astoria 評価:S

 NOFX、オフスプリングなどを輩出しているパンクのメッカ=オレンジカウンティ出身の4人組。インディー時代が長く、既に数枚のアルバムを発表して確固たる地位を築いていたが、今年遂にメジャーデビューの運びとなった。それに際し音楽性もエモコアから、エモを下敷きとした全方位性ロックに変化している。このあたりはジミー・イート・ワールドに通ずるところがあるが、パンキッシュなブライアン・アダムスというのが私の印象だ。荒々しくかき鳴らされるギターサウンドと思いのたけをぶつけるように力の限り歌い上げる情熱的なボーカルは瑞々しい感覚に溢れたリリックと相俟って、青春時代の甘酸っぱさを呼び起こし、懐かしいようで切ないようで、胸がキュンとなる。楽曲はヴァラエティに富み、アレンジも工夫がなされているから、この手のバンドにありがちな単調で平板なサウンドとは無縁で、17 曲のボリュームでも全く飽きが来ない。

 しかし6月初旬の来日公演は完全パンクの乗りで、ぶっちゃけ途中で帰りたくなるほど演奏が下手糞だった。でもこのアルバムはやはり良く出来ている。現在の録音技術の凄さと、バンドの力量はアルバムだけでは計ることができないことを痛感した、ある意味貴重な体験であった。


No.5 The Tony Rich Project / Resurrected (公式サイトにて11曲フル試聴可)

  リザレクテッド 評価:A+

 「おや?トニー・リッチってこんなんだっけ!?」と驚かずにはいられない、ザ・トニー・リッチ・プロジェクト、実に5年ぶりとなる3rdアルバム。

 トニーリッチと言えば90年代半ばに殆ど一人でコンポーズ/プロデュース/演奏等をこなしたアルバム『Words』('95) でデビューするや否や、シングル"Nobody Knows"がビルボード年間チャートTOP5にもランクされる大ヒットとなり、グラミー賞まで獲得した才人だ。ベイビーフェイスに似た語り口ながら、アコースティック・ギターを中心にしたR&Bフレイヴァーの内省的なシンガーソングライターという、これまでに存在しなかったその佇まいは当時のブラック・ミュージック・シーンに多大な影響を与え、ディアンジェロやマクスウェル等と共にニュー・クラシック・ソウル(現在で言うネオ・ソウル)の立て役者ともなった。さらに相前後して、ボーイズIIメン、TLC、トニー・ブラクストンなどの有名アーティストに楽曲を提供/プロデュースしたり、様々な楽器を演奏するなど八面六臂の大活躍。しかしながら2nd『Birdseye』('98) を発表したのち、意見の相違から超メジャーレーベル=LaFaceを離れると長い沈黙に入り、正直私の中ではもう過去の人になっていた。

 しかし殆ど何の前触れもなく、インディペンデント・レーベルからリリースされた、その名も『Resurrected=復活』と名付けられたこの作品を聴いて思わず驚嘆の声を上げずにはいられなかった。以前の優男的な彼からは想像もつかない、過激なディストーション・ギターが悲鳴をあげるファンキーなロック・チューンで幕を開けるのだから。その他にもファンクあり、ソウルあり、フォークあり、R&Bあり・・・と、めくるめく音楽万華鏡。才気迸る勢いというのはこういうことを言うのだろう。この辺りはマルチなアーティストを目指すきっかけとなった尊敬するプリンスの影響がモロに出ているとも言えて、特にO(+>名義の『Gold Experience』('95) に近い印象を受けるが、それでもやはりトニー・リッチらしいんだな、これが。歌うテーマも1st、2ndはラブソングが9割を占めていたのに、輝く未来に向けての行動を促したり、戦士に帰還を呼び掛けたり、自立の問題を取り扱っていたりと、随分幅広くなっている。

 それにしても劇的な変貌。そういやジャケットに映るトニーリッチの体は立派に鍛え上げられ、昔はなかった入れ墨が腕全体にある。タイトルどおり、本当に生まれ変わったんだね。いやぁ、これからの活躍がますます楽しみになってきたぞ。


No.6 John Stoddart / Wings To Walk This Road (丸ごと試聴

   評価:A+

 誠実で純朴な超美メロを堪能できる男性R&B/Soulの決定盤。そういった意味ではベイビーフェイス、ブライアン・マクナイト、ジョーなどの系譜に連なるとも言えるが、サウンドはネオソウルど真ん中。ジョンが70's ソウルに強く影響を受けていることは、ファイヴステアステップスのクラシック="Ooh Child"のカヴァーや、ギル-スコット・ヘロンを彷佛とさせるポエトリー・リーディング・スタイルの"Fly Away"などからもはっきりと見て取れる。

 これまでソングライター、キーボーディスト、プロデューサー、エンジニアなど裏方として10年近く地道な活動をしてきた人物らしいが、その歌声は泥臭すぎず、洗練されすぎてもおらず、ほどよく深みと渋みの双方を兼ね備えていて、これがデビュー作とは思えぬ堂々たるものだ。ソングライティング能力も卓越しており、ミディアム~スロウ・バラード中心のまったりした構成ながら、一曲一曲が表情豊かでヴァラエティに富み、また心の何処かにひっかかる印象的なフレーズが必ず含まれている。さらにジョンが書くリリックは詩情豊かで、私のような歌詞重視のリスナーも十二分に満足できるクオリティの高さ。これほどパーフェクトに近いR&B/SOULアルバムに巡り会ったのは久々の感。


No.7 Ben Harper / Diamonds On The Inside

   評価:A+

 「黒いライ・クーダー」「ボブ・マーリーの精神を持ったジミ・ヘンドリックス」そんなキャッチコピーを耳にする度、興味を惹かれてアルバムが出る度チェックしてきた。そのストイックな姿勢と卓越した技術に裏打ちされたハイブリッドな音楽センスに舌を巻いた。でもこれまでは何故か購入まで後一歩のところで悩み、結局店頭での試聴のみに終わっていた。しかしこの通算5枚目となる最新作を聴いて、これはとんでもないアーティストを見落としていたと激しく後悔した。しかも聴けば聴くほど味の出てくるスルメ系アーティストの典型ではないか。

 ブルーズ・ロックを軸に展開される、レゲエ、ファンク、ソウル、ラップ、果てはトライバル・ミュージックまで吸収し、見事に血肉化した芳醇なサウンド。そして強い信念と反骨精神に裏打ちされたリリック。それらは到底不確定要素の大きい状況下で短時間聴いただけでは決して本質に辿り着くことは出来ないであろう奥深さを秘めている。ベン・ハーパーの音楽はただ彼の音楽を聴くためだけに時間を割き、腰を落ち着け、心をからっぽにして、発せられる言葉と音を一つ残らず汲み取るぐらいの集中力で挑むべきものなのだ。

 読み応え十分のリリックにも強く惹きつけられるが、演奏も超タイト。寸分の隙も狂いもなく、その力強いグルーヴからは艶っぽい男の色気がムンムン漂ってくる。日本盤、EU盤は残念なことにCCCDだが、驚くほど録音状態が良いのも高ポイント。


No.8 Seal / Seal IV (丸ごと試聴

   評価:A+

 1年半前に一旦完成しながら納得がいかず、全面的に作り直したという約5年振りとなる渾身の4thアルバム。シールの専売特許であるテクノ/ハウス系サウンドを従来通り織り込みながらも、生演奏の質感をこれまで以上に大切にしたソウルフルな作品に仕上がった。長期に渡って書き溜めたものの中から厳選され、徹底的に練り上げられた楽曲の良さと、最大の武器である"魅惑のハスキーボイス"を全面に押し出したトレヴァーホーンの好プロデュースが光る。過去最高傑作。


No.9 John Mayer / Heavier Things

   評価:A

 処女作『Room For Squares』(’01) が世界中でバカ売れし、早くも現在世界で最も成功している男性SSW(シンガーソングライター)の一人となったジョン・メイヤーの2ndアルバム。超ロングセラーとなっている前作からの期間が約一年半と、非常に短いインターバルで発表された。

 ジョンは最近流行りのエレクトロニカ要素を取り込んだ音響派やエモ系SSWとは異なり、高度に洗練されてはいるものの、基本的には純粋に歌を大切にしている素朴なシンガーだ。そして70年代の一流SSWの多くがそうだったようにギターが神業的に巧いことが最大の武器となっている。小気味良い切れ味のカッティングも控えめなソロも非凡だが、他の凡庸なギタリストとは音色からして全く違う。若くて指がそれなりに動くと、どうしても速弾きのようなアグレッシブな奏法に走ってしまいがちだが、そうした欲求を抑えてシングル・ノートの音色だけで音数以上に雄弁に情景を物語るプレイ・スタイルは若手の中でも頭一つどころか十個分ぐらい飛び抜けている(実際身長190cm超と非常に上背がある人なのだがw)。日本盤のボーナストラックとして収録されているレディオヘッド"Kid A"の弾き語りカバーも意外なほどはまっている。


No.10 Wyclef Jean / The Preacher's Son

  The Preacher\'s Son 評価:A

 通算三作目となるソロ。大きく歌へとシフトし、彼のアイドルであるBob Marleyに強く影響された喉を披露している。


No.11 Jeff Beck / Jeff

  Jeff 評価:A


No.12 R.Kelly / Chocolate Factory + Loveland (丸ごと試聴

   評価:A

 スキャンダラスな事件を起こしてパブリック・イメージが急落したにも関わらず、2003年はR.ケリ-名義のものだけでなく他人へ提供した楽曲やプロデュース作品なども含め、彼の関わった作品はどれもかれもが大ヒットとなり、男性R&Bアーティストとしては圧倒的な存在感を誇った。特にそんな快進撃のきっかけとなった通算6枚目となる本アルバムはR.ケリー史上最高の出来。70's フィリー・ソウルを彷彿とさせる楽曲群・アレンジは、これまでメインストリームR&Bを牽引してきたトップ・ランナーR.ケリーによる、昨今のネオソウル・ムーヴメントに対する返答だろうか。自己を省みるべく原点に立ち返り、Marvin GayeやStevie Wonderからの影響を素直に出した、フランクでキャッチーなメロディを持つ曲が溢れかえっている。

 シングル単位ではこれまでにも沢山名曲残してきたR.ケリ-であるが、アルバム単位としては2nd『12 Play』以来どこか散漫な印象を与える作品が続き、多くの期待に答えられていないもどかしさがあった。しかし本作なら胸を張って代表作と呼ことができるだろう。初回限定ボーナスディスクとなった『Loveland』も名曲揃いで、まさに文句無し、無敵のアルバム。


No.13 Maktub / Khronos [Voluer Version] (公式サイトにて4曲フル試聴可)

   評価:A

 シアトル発5人組人種混合バンド=モックチューブ(アラビア語で運命、予言の意)の2nd。60年代後期~70年代のファンク、ソウル、ジャズの意匠を受け継いだ豊かな音楽性に、卓越した演奏力によってジャム・バンド風のアレンジを施したスムーズ&グルーヴィな楽曲がメインだが、時折激しく歪んだラフな音象のエレキ・ギターが熱い雄叫びをあげ、敢えて巧みに洗練・構築された楽曲をブチ壊してくるのがなんとも印象的。最近ではジャンルの細分化が進む一方で、それらを凌駕するようなボーダレスな新感覚を持ったアーティストが各地で同時多発的に出現し、少しずつ注目を集め始めているが、これほど守備範囲が広いバンドも珍しい。根っこを黒人音楽に持ちながら90年代のオルタナ/グランジを通過吸収するなんて、かのニルバーナ、パール・ジャム、サウンドガーデン、アリス・イン・チェインズ等を輩出したグランジのメッカで生まれ育ったバンドだからこそできる離れ業だろう(本作にはレッド・ツェッペリン”No Quarter”のカバーまで収録されている)。

 若き日の鶴瓶、或いはインドの超能力者サイババのような超巨大アフロがトレードマークのフロントマン=レジー・ワッツはギル=スコット・ヘロンばりの低音からアル・グリーンを彷彿とさせるファルセットまで幅広い表現力を持つ魅力的なクルーナーであり、2004年4月、ソウライヴのフューチャリング・ヴォーカリストとして初来日を果たした他、ミッシェル・ンデゲオチェロ、ロイ・ハーグローブ等ともセッションをこなしている。しかし彼のようにメインストリームで真っ向勝負しても十分勝機がありそうな優れたソウル・シンガーが、こんな異質なバンドを活動母体として大きく羽目を外しまくっているところが素晴らしいではないか。


No.14 Ryan Adams / Rock N Roll (丸ごと試聴

   評価:A

 ウィルコやジェイホークスなどと共にオルタナ・カントリーの旗手として知られるライアン・アダムスの通算三作目で、 本来『Gold』('01) に続く新作としてカントリーのメッカ=ナッシュヴィルで録音された『Love Is Hell』が、レコード会社に「あまりに落ち込み過ぎで暗く、あまりにオルタナティヴ・ロックかなにかみたいだ」との理由でダメ出しを食らい、その代わりにNYで新たにセッションを行って、たったの二週間で製作された作品。

 ライアン本人によると「ブラック・サバスとストゥージズの間。スミスっぽいところやティアーズ・フォー・フィアーズっぽいところもある。ニルヴァーナもちょっと。」ということだが、確かにその通りで愉快痛快すっきり爽快なロックンロール・サウンドがぎっしりと、非常にコンパクトに詰め込まれている。単刀直入なアルバム・タイトルが示す通りのラフでエッジの立った作風だ。でも十二分にメジャー感があり、決してやっつけ仕事で作ったのではない、しっかりとした手応えを感じることができる。恐ろしいほど多作で多彩な天性のメロディメイカーだ。より詳細なレビューはこちら


No.15 Outkast / Speakerboxx + The Love Below (丸ごと試聴

   評価:A

 アメリカ南部アトランタ出身のビッグボイ&アンドレ3000によるHIP-HOPユニット=アウトキャスト、通算5枚目となる2枚組アルバム。とは言っても今回はこれまでと勝手が違って、両者のソロ作を抱合せた形だ。

 まずビッグボイによる『Speakerboxx』はグレイトの一言。こちらはほぼ従来のアウトキャスト路線を引き継いでいて、安心して楽しめる最高のラップ・アルバムとなっている。アウトキャストが開拓した、ファンキーで泥臭い黒人音楽とテクノ/トランス系のフューチャリスティックなサウンドを融合させた宇宙的で変態的なトラックは、時としてあまりに過激で耳が疲れてしまったりもするのだが、この作品は随分メロウで大人しめ。リリックも内省的な面を覗かせるなど、ギャングスタ臭さがあまりしない。アウトキャスト名義のアルバムとしては一番完成度が高く、非常に聴き易いのではなかろうか。

 しかしアンドレ3000の『The Love Below』は散漫でとっちらかった印象を受ける。ロックやファンクもあったりするが、基本的にはジャジーでクラシカルな歌モノ中心という、ラップが殆ど出てこない構成。本当にやりたいことを思う存分やったのだろうけど、1つの作品としての完成度は低い。ロックファンの間ではラップも歌も何もかも消化吸収した次世代HIP-HOPミュージックだなどと喝采を浴びているようだが、それは勘違いのような気がする。そういった点で言えば、同じアトランタのMC=シーローによる昨年のソロアルバムの方がずっと凄かった。


No.16 Jet / Get Born

   評価:A

 いやぁ、格好いい!サウンドはレトロだけど、所謂ザ・ストロークス以降のニュー・ロック・リバイバル群とは少々毛色が違う。ジェットのサウンドはガレージというより、ずばりロックンロールそのものだ。しかもこれ以上ないくらい素直で、霰もないほど無防備な、ギミックゼロの正統派ロックンロール。時代で言ったら60年代後半から70年代にかけてのハード・ロック黎明期だろうか。まず何をおいてもAC/DC。肌理が粗くザクザクと刻み込む「ど」キャッチーなリフは正に彼らの系譜を継ぐものと言えるだろう。さらにヴァニラ・ファッジ、ザ・ドアーズ的展開を見せる曲や、スウィートやチープ・トリックのような茶目っ気たっぷりの曲もある。そしてもちろんバンド名の由来となった名曲"Jet"のオリジネーター=ポール・マッカートニー&ザ・ウイングス様式のバラードもあり、これまた当然のごとくザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズも換骨奪胎してしまっている。

 正直言うと、iPodのCMソングに採用されてお茶の間にも浸透した生きの良いロック・チューン”Are You Gonna Be My Girl”がロックンロールを絵に描いたような傑作なだけに、この一曲だけなんじゃないのぉ~?という思いが少なからずあった。しかし他のアルバム・トラックもこれに負けず劣らずの佳曲揃いで、このインスタント・クラシック認定済みの名曲が全く浮くことなく、アルバム全体の流れに馴染んでいる。契約金2億って噂もあるが、それに見合うだけの可能性を持った未完の大器だ、こりゃ。順調にいけばザ・ストロークス、ザ・ホワイト・ストライプスに肩を並べる日も遠くはないぞ。


No.17 Korn / Take A Look In The Mirror

   評価:A-

 ぶりぶりごきごきばきばきの超重低音爆撃サウンド。初期のなりふり構わぬ獰猛さと前作からのメロウネスが幸福な邂逅を果たしている。


No.18 Chris Rea / Stoney Road
  
   評価:A-

 売れようが売れまいがそんなことはおかまいなしにマイペースで良質の作品を発表し続けてきた英国を代表するシンガーソングライター=クリス・レア。そんな激シブの彼が生死の境を彷徨う大病を患い、そこから生還した経験を経て発表した、全編ゴスペル・ブルーズからなる原点回帰アルバムだ。'78年のデビュー以来、マスコミとは一定の距離を保って多くを語らず、過度な露出も避けてロックスターになることを拒み続け、あくまで一シンガーソングライター、一ギタリストで在ることにこだわり続けた男の生き様がここにある。唯一無二のビター&スウィートな歌声がさらなる渋みと深みを帯びた、聴く度に骨身に染みる感動の一枚也。


No.19 Eagle-Eye Cherry / Sub Rosa

   評価:A-

 スウェーデンのSSW=イーグル・アイ・チェリーの3rdアルバム(フリー・ジャズの巨匠ドン・チェリーの息子であり、Hip-Hopアーティストとして活躍中のネナ・チェリーの弟でもある)。

 前作『Living in The Present Future』('00) では世界的に大ヒットした1stアルバム『Desireless』('98) よりもさらにアーシーでブルージーなロックを展開し、サウンドの要となっているパワフルなスライド・ギターやヒップホップも消化吸収した柔軟でジャンルレスな音楽性、さらにはエスニックなルックスなどの相似点からベン・ハーパーの名が引き合いに出されたりもした。しかし本作でイーグル・アイは従来のアナログなオーガニック・ロック路線にエレクトロニカの要素を取り込んで空間的に奥行きと広がりのあるサウンドを実践しており、立派に独自路線を極めている。

 サンタナにも認められたメロディメーカーとしての実力も存分に発揮されていて(サンタナのグラミー独占大ヒットアルバム『Supernatural』('99) にシンガー、ソングライターとして参加)、今回も非常にキャッチ-で耳に残るフックをもった楽曲が満載だ。同時多発テロ事件などに感化されて作ったと見られる政治的・社会的なメッセージを含む楽曲が幾つか収録されているが、少し斜から社会を観察しているようなシニカルな視点をもったイーグル・アイらしく、独特のユーモアとウィットでもって厭味なくさらり聴かせる。こうしたストイックではあるけど生真面目すぎない微妙なバランス感覚を備えたアーティストは意外に少なく、貴重な存在と言えるだろう。


No.20 The Thorns / The Thorns

   評価:A-

 パワーポップ系SSW=マシュー・スウィート、カントリー系SSW=ショーン・マリンズ、グランジ系SSW=ピート・ドロージという3人のアーティストが一同に介した豪華プロジェクト。日本で例えていうなら、後藤真希、藤本美貴、松浦亜弥の3人で結成された「ごまっとう」のようなものか。そんな戯れ言ことはさておき、スーパー・グループと呼ぶにはちょっと微妙なメンバーながら、各自の個性が奇跡的な化学反応を起こし、トラヴェリング・ウィルベリーズ('88年~'90年の間、一時的に結成されたボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、トム・ペティ、ロイ・オービソン、ジェフ・リンによる夢のスーパー・バンド)よりもずっと音楽的に成功している。その極上のハーモニーとサイケ色のない純フォーク/カントリー風サウンドはCS&Nというよりアメリカ(バンド名)に近い肌触りがあり、3人の個性豊かなシンガーによって歌われる哀愁のメロディーは黄金の麦畑を想起させる。どこまでも暖かく、優しさの溢れた包容力のあるアルバムだ。


No.21 Black Eyed Peas / Elephank

   評価:A-

 "Where Is The Love"は個人的に'03年のベストシングル(意外なことに浜田省吾もこの曲をベストに選んでいた)。サビだけ聴くとありきたりのメッセージソングに聴こえるかもしれないが、ラップにしっかり耳を傾ければ吃驚するほど真実を正拳突きしたverseが沢山ある。トラックとの相性も抜群で、9.11以後掃いて捨てるほど発表された平和祈願ソングの中では最も共感できた(PVも秀逸)。

 アルバムは新加入の女性シンガー(元アイドル)=ファギーが大活躍。最近流行のダンスホールレゲエ、ラテン、ディスコ、フォーク、ロック、メタル・・・と、前2作以上にヴァラエティに富んだ幕の内弁当的トラック群と彼女の存在でグッと聴きやすく、ポップ寄りになった感がする。しかしあまりに多彩でアルバム全体としての統一感、ストーリー性は希薄なのでシャッフル再生向きかも。


No.22 Rufus Wainwright / Want One

   評価:A-

 お姐系SSWのソロ第三作。


No.23 Maroon 5 / Songs About Jane (丸ごと試聴

   評価:A-

 うれしはずかし80'sの薫り漂う"This Love"を筆頭に、初聴でシンガロングできるような極上のポップ・ロックがぎっしり。しかしソウル、ファンクを基本とした音作りは意外と通好みな渋さもあって、繰り返しの試聴による耐久性も抜群。子供から大人まで、また洋楽初心者からマニアまで、幅広い層にマッチする希有な一枚だ。


No.24 Jason Mraz / Waiting For My Rocket To Come

   評価:A-

 巷で第二のジョン・メイヤー出現と騒がれたヴァージニア州出身25歳のジェイソン・ムラーズ1st。イニシャルや年齢が一緒なだけでなく、プロデューサーも同じ(ジョン・アレイジア)、さらに馬鹿テク野郎メイヤーと比べると些か分が悪いがムラーズもギターの弾き語りを得意としていて、ライブではデイヴ・マシューズ・バンド並の熱いジャム・セッションを繰り広げるというのだから、比較するなって言う方が無理な注文だ。ムラーズはどこか野暮ったく、アルバムもどこかこじんまりとしていて、二人の体格差のままメイヤーの縮小版といった感は否めないが、ヒット・メーカー=ザ・マトリックスと共作したリード・シングル”The Remedy (I Won’t Worry)”は出色の出来となっている。AメロBメロを飄々とライムしていると思いきや、サビで転調した途端一気に天空を駆け上がって爽やかに弾ける、胸キュンでゴキゲンなポップソングだ。この曲を聴くためだけでも買う価値十分。
 

No.25 Kelis / Tasty

   評価:A-

 ザ・ネプチューンズの秘蔵っ子として常に本気汁満載のトラックを提供され、革新的なR&Bアルバムを発表してきたサンダー・ビッチことケリス嬢の3rd(正確にはカリースと発音)。ねちっこいビートがツンと上を向いた張りのあるケリスの乳房と共にボヨヨン♪ボヨヨン♪とバウンスする独創的未来派キーボード・ファンクなリード・シングル ”Milkshake”は、まるでザ・ストロークスのようにスッカスカな音像ながらやたら耳にこびりついて離れず、改めてネプチューンズとの相性の良さを感じさせられた。しかし鮮烈なデビューを飾りながら本国アメリカではリリースすら叶わなかった2nd『Wonderland』での失敗を踏まえてのことなのか、ネプチューンズ=プロデュースの楽曲は今回5曲に抑えられ、ダラス・オースティン、ロックワイルダー、アンドレ3000(アウトキャスト)、デイム・グリース、ラファエル・サディークら外部から新しい血が導入されている。

 ハードなギター・リフが先導するロック・パートとアコースティックなメロウ・パートが交差する刺激度抜群なダラスによるM4 “Keep It Down”、 ロックワイルダー=プロデュース作 で婚約者ナズがラップをかますサービス満載のM5 “In Public”、 ジョディ・ワトリー、キャリン・ホワイト辺りの80年代後半~90年代前半のボディコンR&Bを意識した作りで、前衛的な”Milkshake”とのギャップの大きさに驚かされるネプチューンズ制作のM6 “Flashback” &M7 “Protect My Heart”、 軽めのビートにせわしなくシンバルが囀るアンドレ度120%のトラック上でアンドレ3000が歌にラップにと大活躍のこれまたレトロ調ブラコン・ポップスM8 “Millionare”、ラファエル・サディークによるネオソウルなM9 “Glow”、再びネプチューンズ制作のゲットーを憂えるバラッドM12 “Rolling Through The Hood”などなど、ケリスの個性を生かした上で各プロデューサーがそれぞれの特色を存分に出し切ったナンバーがずらり全14曲。変態性や奇抜さは薄れたが、アップとスロウが適度なバランスで配置された大人の鑑賞にも堪えうるアルバムだ。


No.26 Jay-Z / The Black Album (丸ごと試聴

   評価:A-

 ナズとの長期にわたるビーフ(諍い)でほとほと嫌気がさしたのか、本作でラッパー稼業を引退し、ビジネスに専念すると宣言している東海岸ヒップホップ界の帝王=ジェイZのラスト・アルバム。但し客演はするらしいし、私が知ってる中で最も引き際が格好良かったメイス(90年代にP.ディディakaパフ・ダディ率いるバッド・ボーイズ・レコードの第一黄金期をノトーリアスBIGと支えたラッパー。絶頂期に牧師に転身するため引退。)ですら復活したから怪しい物。でも(一応)最後ということでネプチューンズ、ティンバランド、Dr.ドレー、エミネム、DJクイック、カニエ・ウェスト、ジャスト・ブレイズなどジェイ-Zが最もリスぺクトする超豪華プロデューサー軍団が招集され、王者の花道に相応しい最高級のトラックが献上されている。中にはハリウッド大作映画のテーマにもそのまま流用できそうな、力みすぎて”ミ”まで飛び出しかけのトラックもあり、やや派手にブチかまし過ぎた感もあるが、ラップの方でゲストを一切呼ばなかったことでなんとか救われている。帝王の淀みない滑らかなフロウは見事だ。


No.27 Ziggy Marley / Dragonfly

   評価:B+

 単独名義としては初となる作品。メロディメーカーズとの'99年作でも垣間見られた「レゲエを基盤とする普遍的なロック」という方向性がより明確になってきた。無垢で飾り気のない裸のメロディとラスタファリズムの精神をしっかりと継承しているスピリチュアルな歌詞、そして必要最小限の演奏だけで構成されているが、それが逆説的に楽曲の良さを浮き彫りにしており、どれだけ時代がうつろいでも本当に魂のこもった音楽は雄弁であることに改めて気付かせられる。純粋なレゲエ・ファン以外にも広く聴かれて欲しいアルバムだ。


No.28 3 Doors Down / Away From The Sun (丸ごと試聴

   評価:B+

 アメリカ南部ミシシッピー州出身4ピース・バンド=3ドアーズ・ダウンの2nd。デビュー曲”Kryptonite”の新人らしからぬ完成度と、それに比して粗が目立ったデビュー・アルバム『Better Life』(’00) の印象からてっきり一発屋で終わると高をくくっていたが、大陸的アメリカン・ロックとニュー・メタルを折衷して時代の寵児となったクリードが内紛でゴタゴタしている間に本作で急成長を遂げた。いち早くイラク戦争支持を表明し、1stシングル”When I’m Gone”のPVをわざわざ兵士慰問ライブの模様へと作り直したことが、イラク兵士サポート・キャンペーンを張っていたラジオ局に熱烈な支持を受け、ビルボードTOP100でNo.4まで上昇する大ヒットに。続く”Here Without You”も家族から遠く離れて戦地で戦う兵士を想起させ、同じような効果を生んでNo.5まで上昇した。ガレージ・ロック、UKロックなどが好きな人には保守派ロックの象徴として叩かれそうな存在ではあるが、政治的意図をもったプロモーション戦略の是非はさておき、純粋に楽曲の良さを高く評価したい。


No.29 Brian McKnight / U Turn

   評価:B+

 ブライアン・マックナイトの通算6作目にあたるオリジナル・アルバム。冒頭から前作にもセント・ルナティックスの一員として参加していたネリーのラップで幕が開け、ブライアンまで遂にヒップホップの毒牙にかかったかと頭を抱えたが、その後はR.ケリー風ダウン・ロウ・ビートが心地よいM2 ”Back Sheat (Getting’ Down)”、恋愛にまつわる悔悟の念を繊細に表現したミディアム・バラードM3 “Shoulda Woulda Coulda”、力強くも麗しいフュージョン・ソウルなM4 “Where Do We Go From Here”、ジョー、カール・トーマス、タイリース、タンクら男性R&Bシンガー・オールスターズと華やかなマイク・リレーを行うM7 ”Good Enough”、 心温まるひとりTAKE6状態の多重録音アカペラM9 “For The Rest Of My Life”、プリンスかディアンジェロを下敷きにしたと見られるブライアン風ソフト・ファンクM10 “If It Was Cool”、レボリューションズ・オブ・ゴスペルの旗手=カーク・フランクリンを迎えた壮大な反戦歌M12 “One Of The One’s Who Did”と美メロに次ぐ美メロの嵐で、当初抱いていた不安は全くの杞憂に終わった。

 ヒップホップの急成長と成熟、そしてそれによるR&B界の隷属化により、90年代に幅を利かせたロマンティックなバラッディアの大半が淘汰されて久しいが、70年代ソウルの意匠をヒップホップのフィルターを通して現代に蘇らせるネオソウル的な方法論とはまた別に、80年代のライオネル・リッチー、90年代のベイビーフェイスの系譜に連なるような、ヒップホップ的サウンド・プロダクションの呪縛に囚われないメロディ至上主義的R&Bというのはどれだけ時代が移ろいでも大きな需要があると僕は信じているし、そうであって欲しいと心から願っている。そしてその思いは本作のような素晴らしい美メロ・アルバムに出会った時ことさら強くなる。ブライアンが今現在誰よりも美しいメロディを書き、優れた歌唱でもってパフォーマンスできる最高のシンガーソングライターの一人であることは今や誰の目にも明らかだ。ヒップホップの台頭さえなければ’00年代のライオネル、ベイビーフェイスとしてR&B界のみならずポップス界の頂点にも君臨することが出来たかもしれない。ブライアンにはこれからも複雑で奇抜なビートが支配する荒涼たる昨今のR&B界に根付いた一輪の華として毒されることなく毅然と咲き誇り、いつの日かヒップホッパーの方がその香りに惹きつけられるような大輪を咲かてくれることを強く期待する。ブラマクがやらねば誰がやる!


No.30 Linkin Park / Meteora (丸ごと試聴

   評価:B+

 良く出来たアルバムではあるけれども、リンキンにしては標準の出来だろう。日本では発売当初多くの評論家が1stを凌駕していると絶賛したが、それには全く賛同しかねる。私にとって1st『Hybrid Theory』は10年に一枚クラスの名盤中の名盤だったのだから。したがってそれを越えるものははなから期待してなかったのだが、そういったことをさっぴいてもパワーダウンした印象を拭えない。覚えやすいメロディーとスタイリッシュなサウンドは相変わらずで他のバンドを寄せ付けないクオリティを保ってるが、アルバム構成が1stと殆ど同じであるため、既聴感を強く抱き、繰り返し聴こうという気になかなかなれないのも問題だ。ほぼ全ての楽曲を2~3分台と短めに設定した辺りにも欲求不満が残った。次作に期待したい。


No.31 The String Cheese Incident / Untying The Not

   評価:B+

 ジャム・バンドの雄。録音状態が悪いのでそのぶんマイナス。


No.32 Yerba Buena / President Alien

   評価:B+

 ルックス面からしてインパクト大だが、音の方もこれまたかなり斬新で、昨年『President Alien』でメジャー・デビューするや、アフロ・キューバン、ラテン、ヒップホップ、エレクトロニカ、ファンク、ロック、ジャズなどを有機的にミックスしたそのサウンドが、地元アメリカで批評家筋から高い評価を受けた。日本でもヒップホップに関心はあっても現在流行っているようなメインストリームには共感できないタイプのワールド・ミュージック好事家の間で大きな話題となっている(ミュージック・マガジン誌がロック部門で年間4位に選出)。

 中南米音楽をベースにしたミクスチャー・ヒップホップという意味ではオゾマトリという先駆者がいる。しかし、主役の交代と同時にサルサ色が強くなったり、ラップ色が強くなったりと、音楽性が1曲ごとに(1曲の中でも)大きく変貌するオゾマトリに対して、ジェルバ・ブエナはその多様な音楽要素をごく自然な形で融合し、どの曲も1つの統一されたスタイルにまで昇華しているのが印象的だ。個々のアイデンティティが激しくぶつかり合った歪みをありのままに表現するオゾマトリのゴツゴツしたミクスチャー感覚の方がずっとロック的で、個人的にはそっちの方が断然好みだったりするけれど、オゾマトリには見られないスタイリッシュな音楽的美学を兼ね備えたジェルバ・ブエナも非常に面白い。この辺りはLA(オゾマトリ)とNY(ジェルバ・ブエナ)という各々の地域的特色が如実に表れた結果とも言えるだろう。


No.33 Watashi Wa / The Love Of Life

   評価:B+

 ワタシ・ワという、日本人からしてみればへんちくりんな名前の4人組バンド。これだけ聞くとまるでキワモノのようだが、音楽は至って真剣そのもの。とにかく綺麗なメロディーと前向きな歌詞が素晴らしい。ジャンル的にはエモに分類されているようだが、翳りのない陽性の極めて良質なポップスであり、万人向けのサウンドであろう。メンバーが敬虔なキリスト教徒らしく、クリスチャン・パンクなどともよばれてるようだが、パンクといっても御安心を。パンクテイストは「実は俺、昔ワルだったんだよね(ポリポリ)」ぐらいの匙加減で、既に更正済み。それにしても、この名前は日本で売り込む際にネックになりそうだ…。


No.34 Robert Randolph & The Family Band / Unclassified

   評価:B+

 スティール・ギターと聞いて真っ先に頭に思い浮かぶのは、ハワイアンで南国の楽園ムードを醸し出すあの脱力感抜群の音色であるが、ロバート・ランドルフは13弦ペダル付きながら基本的にはこれと同じ楽器を使って、ジミ・ヘンドリックス、デュエイン・オールマン、スティーヴィー・レイヴォーン辺りの偉大なるブルース・ロック・ギタリスト達を彷彿とさせる常識破りの超エキサイティングなフレーズを次から次へ魔術師のように繰り出す。パイプ・オルガンでなくスティール・ギターが主役のゴスペル音楽=セイクリッド・スティールを16歳でプレイし始め教会で腕を磨く一方、ブルース、ロック、ヒップホップなどポピュラー音楽にも魅入られ、それらを普通のギターと同じようにスティール・ギターで再現しようとしているうちに現在の破天荒なプレイ・スタイルに行き着いたらしい。こんな超異端児的ニュー・ギター・ヒーローが21世紀になっても登場してくるところ、やはりアメリカ音楽は懐が深い(溜息)。

 アルバムはロバートの兄弟や親戚を中心に腕利きミュージシャンが集結したザ・ファミリー・バンドと共に、ゴスペルを基本とした陽気で力強いジャム・セッションが様々に展開されており、快活なエネルギーで一杯のこの作品を聴いていると、巨体を揺らしながら満点の笑顔でプレイするロバートのキャラクターと相まって、どんなことも笑い飛ばしたくなってくる。大きな勇気と感動を与えてくれるハッピーゴーラッキー(死語)な一枚だ。


No.35 Speech / Peechy

   評価:B+
 
 素材はいいが、トラックのボトムが軽い。


No.36 Victor Davies / Hoxton Popstars

   評価:B+

 2000年にデビューし、欧州のクラブシーンで評判を呼んだイーストロンドン在住の黒人シンガーソングライター=ヴィクター・デイヴィスの2ndアルバム。プリンス、レニー・クラヴィッツ、テレンス・トレント・ダービー、シール・・・最近ではグレン・スコットなどの系譜に位置するオルタナティヴR&B/ソウル系アーティストで、ヴォーカル/コンポーズは勿論のこと、ギター/ベース/ピアノ/パーカッション/アレンジメント/プロデュース等ほぼすべてのサウンドプロダクションを手がけるなど、先述のアーティスト同様かなりの多才ぶりを発揮している。

 音楽的にはまさしくマルチ・ボーダー/ジャンル・レスで、多様な素材を有機的に融合させながら、スムーズでアーバンな楽曲を作り出している。先行シングル"Fire"はいかにもクラブ受けしそうな80年代のブラコン・サウンドを彷彿とさせるディスコ・チューンだが、全体としては雑多に混在する様々な音楽要素の中でも、とりわけラテンやブラジリアンのテイストが色濃く生かされ、素朴な生音を大切にした楽曲が多い。だからとっても涼しげな凛とした印象を受けるのだ。これこそが彼のオリジナリティであり、最大の魅力であろう。

 これまでクラブシーンを中心として注目されてきたという流れから、やはり踊るためのダンス音楽、一杯ひっかけるときのBGMとして片づけてしま人も多いかもしれない。確かに彼の音楽は耳あたりが良い。でも歌に込められたメッセージには愛の他にも希望/解放/自立/人種差別/孤独/苦悩などなど非常に深いテーマが潜んでいる。私はそこにヴィクターの魂の叫びを確かに聴いた。

 踊るもよし。飲むもよし。チルアウトするもよし。そしてじっくり耳を傾けるもよし。それがヴィクター・デイヴィスの音楽だ。


No.37 Sevendust / Seasons

    評価:B+

 急速にメロウ化が進むニュー・メタル界の中にあっても、卓越したソングライティングと黒人ヴォーカリスト=ラジョーン・ウィザースプーンのソウルフルな歌唱で、デビュー当初より究極のメロディアス・ヘヴィネスを追求してきたセヴンダストの通算4作目。本作ではプロデューサーにポップ・ヒットの仕掛け人=ブッチ・ウォーカーをプロデューサーに迎え、こうした傾向にますます拍車がかかっており、美メロの嵐だ。とりわけ"Separate"、"Face To Face"などの楽曲的成熟度には目を見張る物がある。しかしながら、無数のライブ活動で鍛え上げられた演奏テクニックがありながら、全ての楽曲がどれも似通ったアレンジ・展開のため、アルバム・トータルとしては平板な印象を拭い去ることができない。数人の怒号が飛び交うようなけたたましいラップから一転、華麗なコーラスへと流れるリード・シングル”Enemy”は新機軸と言えるだろう。


No.38 Alicia Keys / The Diary Of Alicia Keys (丸ごと試聴

    評価:B+

 グラミー5部門を受賞したデビュー作『Songs In A Minor』(’01) から約2年ぶりとなる新作。運良く’02春に赤坂ブリッツで行われたショーケース・ライブを見ることができ、しっとりお淑やかな「ピアノと私」的アルバムからは予想できない、アグレッシブなアゲアゲ系ライブパフォーマンスに圧倒され、この二作目にはそのとき感じたヒップホップ的強度を期待していた。しかし残念。楽曲の質は大幅に向上しているものの、まだどこか遠慮が感じられる。70’s ソウル、ヒップホップ、クラシック。これがアリシアの音楽を構成する三大要素で、特にクラシックは他のネオソウル作家との差別化に繋がる最大の特徴ではあるけれど、私見としてはここまでクラシック的素養を全面に押し出す必要はなく、あくまで隠し味程度に留め、代わりにストリート色を打ち出した方がずっと格好いい作品に仕上がると思う。とはいえ、これはあくまでわたくし個人の意見であって、本作の世間一般における評価は絶大なようだ。


No.39 Sean Paul / Dutty Rock (丸ごと試聴

    評価:B+

 ダンスホール界の貴公子と呼ばれるイケメン野郎=ショーン・ポールのソロ第二作。ダンスホール・レゲエとは70年代のジャマイカに起源を持ち、ラップやヒップ・ホップの先駆けとも言われている音楽で、サウンド・システムのプレイバック・コントロールを調整することにより、前もって録音された曲にDJが喋りを入れたり、トースティングしたりして作られたスタイルのことであるが、本作ではこれに最新ヒップホップ/R&Bの方法論を導入して全く新しいサウンドを展開。ラップとも歌ともつかないショーンの小粋なシングジェイ・スタイルも相まって世界中で空前のダンスホール~レゲエ~カリプソ・ブームを巻き起こした。この大ヒットを受けてヒップホップやR&Bにも再度レゲエに接近するなどの波及効果が見られ、シーンがさらに活性化したことは特筆に値する。一時の流行り物として終わることなく、今後のさらなる活躍を期待したい。


No.40 Dido / Life For Rent (丸ごと試聴

   評価:B+

 エミネムのお陰で売れたのに、"Stan"での著作権料不足を訴える恩知らず。でもアルバムでは聖女のよう。歌詞はそれなりにセクシーだけど。


No.41 Dave Matthews / Some Devil

   評価:B+

 米国での人気は日本のサザンにも匹敵するほど絶大というDMBのリーダー初ソロ作。アコースティック・ギターを中心に生の繊細なサウンドを大切にしたダウンテンポ、ナットノイジーな楽曲中心。霧雨の降る新緑をひとり静かに歩くイメージ。


No.42 Evanescence / Fallen (丸ごと試聴

   評価:B+

 幻想的でダークな詩世界、大胆な聖歌隊コーラスの導入、最近では珍しいほどソロ・パートが挿入されるメタリック・ギター、ピアノのみの静かな弾き語りなど、新人ながら個性がピンコ立ちしている驚異のニュー・メタル・バンド。さらにヴォーカルのエイミー・リーは小柄で美人、しかも勝ち気な性格とスター性抜群。大型ハリウッド映画タイアップによる華々しい登場、そのデビュー曲”Bring Me To Life”でポール・マッコイを起用し、あたかも女性Vo×男性Rapメインのリンキンチックなバンドに見せかけた巧みさ、ポール率いる12ストーンズやレーベル・メイトのクリードと同じクリスチャン・ロックとも受け取れる神秘的な売り出し方などなど、ブレイクのための布石は数多く用意されていた。しかしグラミーで新人賞を獲得してしまうほどの大物になると予想した人はほとんどいなかったのではあるまいか。早くもサウンドの鍵を握っていたギタリスト=ベン・ムーディが脱退しており、今後の動向が注目される。


No.43 Marilyn Manson / The Golden Age Of Glotesque (丸ごと試聴

   評価:B+

 壮大な三部作『Anti-Christ Superstar』『Mechanical Animals』『Holy Wood』に続く新章の幕開けとしてはこれ以上ないほどの力作。これまでソングライティング、演奏などでマリリン・マンソンの右腕となってきたギタリストTwigy脱退の影響が心配されたがそれも杞憂に終わったようだ。オープニングを飾る"This Is The New Shit"は映画「マトリックス:リローデッド」でも使用されたサイバーパンク。続く"mObscene"はダークなマリマンの世界観に無邪気な少女のコーラスが映える超キャッチーなポップナンバー。さらにロカビリー調のビートでリスナーをぐいぐい引っ張るゴージャスな(4)、シャンソンチックなメロディーを取り入れてデカダンな雰囲気を出すことに成功したタイトルナンバー(6)、「俺は聖者(saint)じゃなく否定の塊(ain't)だ!」とマリマン流ユーモアが冴える(7)等々、前半のパワーは圧巻の一言。マリマン自身が声にヴァラエティのあるシンガーでないので、全18曲もある本作を一気に聴くと後半だれるように感じるが、各曲のクオリティは総じて高い。傑作『Anti~』と並ぶ代表作となりそうだ。


No.44 P!nk / Tryi This

    評価:B+

 ランシドのティム・アームストロングとのタッグでR&Bからロックへ華麗な転身。


No.45 Kid Rock / Kid Rock

   評価:B+

 ラップの比重がかなり軽くなって、歌モノ中心。歌詞がちょっと演歌はいってます。


No.46 Dwele / Subject

   評価:B+

 デトロイト出身の自作自演ネオソウル作家=ドゥウェレの1stアルバム。語尾をあまり伸ばさず囁くように歌う語り口がMusiqに似ているが、どの曲も決定的なフックに欠けているためスルスルッと耳をすり抜けてしまいがちで、第一印象は水で希釈したMusiqといったところ。しかし繰り返し聴いているうち、南国の静かな海をゆったり漂いつつ、水面で乱反射する陽光を水底から眺めているような不思議なリキッド・グルーヴに引き込まれた。この掴み所のない緩いグルーヴ、はまる人はとことんはまりそう。ネオソウル系アーティストが乱立する昨今の戦国時代において突出した存在になる可能性も高い。本作の雛形となったインディー盤はどす黒いという噂があるので是非そちらも聴いてみたいところ。


No.47 Bubba Sparxxx / Deliverance (丸ごと試聴

   評価:B+

 ぽっちゃり体型だが、痩せたら絶対にイケメンになりそうなアメリカの渡辺徹ことババ・スパークス(クスクスクス)。天才プロデューサー=ティンバランドがエミネムを打倒すべく送り込んだジョージア州出身の白人ラッパーだ。本作は彼の二作目になるが、ティンバ印の変態リズムにバンジョーやフィドルなどの楽器をふんだんに盛り込んだカントリー&ウェスタン風味漂う泥臭いトラックが基本形として定着し、ババの個性が確立されている。エミネムのような過激な奇抜さはないし、声だけでリスナーを釘付けにするようなタイプのMCでもないが、独特のユーモアセンスは秀逸。日本ではほぼ無名でもアメリカではデビュー作が初登場3位、本作が初登場2位とかなりの支持を得ているのも納得。後は痩せるだけです。いや、マジで。


No.48 Macy Gray / The Trouble With Being Myself

  The Trouble With Being Myself 評価:B

 さわりを聴いただけでそれと分かる、超個性的なハスキーボイスの持ち主。音楽的にも雑多で面白いファンキー・ソウルを聴かせてくれるのだが、こう三枚続けて似たような内容だとマンネリ感が漂ってくるね。


No.49 Joe / ...And Then

  And Then... 評価:B

 ジョーともあろうお方がR.ケリーのお下がりなんてもらってたらあきまへん。


No.50 Musiq / Soulstar

  Soulstar 評価:B

 メジャー志向になるにつれ、1stの頃の瑞々しさがなくなっていってるのが非常に残念。大好きなアーティストであるだけに。


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